写真論 version 2.1
写真とは、不思議なもので、未だに白黒写真が評価される。
普通ならば、技術が進化すれば以前の科学技術はオールドになり、
人は新たな技術を導入するのが世の流れとも言えるはずなのに。
例えば、今のテレビ、映画では白黒で見ようなんて誰も思はない、
けれども写真となると、白黒写真にすることで、ナントも言えない
味わい深さが生まれてくる感じがして、実に不思議です。
そして、ここに写真の面白さや、写真の本質となるものが現れているのかな〜
なんて思ったりもします。
なにかの美術論で、絵は作者が費やした時間、情熱が1枚の絵に
凝縮されており、その絵から私たちは凝縮された時間を感じることが
できるということを述べてた本がありました。
このことを写真に当てはめると、写真はその瞬間を切りとる、抜き取る。
瞬間をキャッチすることが、写真の本質なのかなと。
だから、本来は昨日撮った写真を白黒にすることで、時間感覚がずれてしまい、
そのことで、私たちに何とも言えない、あえて言えば白黒にすることによって、
古さを写真に付け加えてくれる作用があるんじゃないかなと。
だから、白黒にすることで、写真から正確な日時、年月をぼかすことで、
白黒写真は、主体的に自分の体験と合わさり、何か特別な味わい深さが
でてくるのかなと思いました。
その点、ジャーナリストや報道といった、タイムリーなものは、あまり
白黒は使われことはなく、カラー写真を使うのがほとんどだと思います。
それにしても、未来の写真とはどんな風になるのだろうか。
絵画に比べると写真の歴史は、圧倒的に浅く、まだ100年ちょいの歴史しか
ないので、これからどんどん、これまで辿ってきた絵画の歴史のように、
多様化し、進化してくるのかなと思いますが、
具体的にどうなっていくのかはっきりせず、この見えない大陸を発見することが、
21世紀の写真家として生きていく一つの方法、生き方なのかなーと思います。