愛しの車とのお別れがあっけなくも来てしまった・・
先ほど車とお別れをしました。
最後に運転したのが数ヶ月前、妻が海外からの出張でCDG空港に戻ってきたので、
車で迎えにいった時以来です。
この時は、車かなりキテいました。
というのも、家から空港に行くまでに2回ほど車が止まってしまいました。
運よくパーキングエリアで車が危険だなと思い、一度止めたのですが、
そのあと完全にバッテリーがなくなったような状態となり、自分ではどうしようも
できなかったので、パーキングエリアに駐車している人に助けを求め、
バッテリーを復活することができました。
これで無事に解決かと思いきや、今後は空港の駐車場直前で止まってしまい、
車を手で押しながらどうにか駐車場まで持って行こうかと思いましたが、
わずかな傾斜があり、自分ではどうすることもできず、絶望していました。
最後にやけくそになって、車が勝手に下がっている状態で、車に飛び乗り
エンジンをかけたら動いてくれました。
寒い時期の誰もいない海外の駐車場で、一人車を押しているなんて、
なんとも恐ろしい経験しました。
その後、奥さんを乗せて、恐る恐る車を運転し、どうにか
無事に、いや本当に奇跡的に家まで運転することができました。
家に着く直前はブルブルーなんて車が揺れ、壊れる直前の状態になっていましたが。
そんな経験をしたこともあり、しばらく車に乗ることに、トラウマを
感じていました。
そこから月日が経ってしまい、そろそろ修理に出さないとなと思い、
駐車場に置いた車を恐る恐る見にいったのですが、
車がなくなっていました。
後々パリの市役所から手紙が来ていることがわかり、
どうやら長期間路上に留めていたことから、車が回収されたようです。
手紙を読むと、回収するための必要な書類、そして回収代が記載されていました。
しかも、期限を過ぎるとパリ市の方が車を売却してしまうとのことでした。
土曜日に手紙を読んだので、その翌週の月曜日に取りに行くことにしました。
受付に行き、必要な書類などを提出し、
必要な金額を提示されると、
なんと1571€と言われました。
あまりの値段の高かさに、衝撃を受けました。日本円でいうと約20万円近く。
費用の内訳を見ると、どうやら1日市で駐車することで30€ほど費用がかかるようで、
私たちは約2ヶ月ほど放置していた。そして回収代150€を加えたら、これだけの
金額になってしまいました。
もし回収できたとしても、さらに修理代が500€ぐらいがかかることが予想され、
おまけに車もバッテリーが切れている状態。
そんなこともあり、苦渋の決断でしたが、車を手放すことにしました。
車を破棄するだけでしたら、無料だったんです。
最後に車の中にある必要なものなどを回収しに、車が置かれてある駐車場へと
行きました。
そこはとても暗く、薄気味悪い場所でもあり、何台もの放置された車たちが
ひっそりと、息を殺して佇んでいるようにすら感じました。
まさに車の墓場のようなところ。
車の中から必要だと思われるものを回収し、いざ立ち去ろうとしたのですが、
これまでのこの車との思い出が蘇り、猛烈に寂しい気持ちになりました。
この車とのお別れは、ここで離れ離れになり、もう今後会えない友、家族との
別れのように感じました。
これまで東はブタベスト、南はイタリアのナポリ、北はオランダ、西はポルトガル
へとこの車で多くのヨーロッパを旅して来ました。
その後受付へ行き、紙切れ1枚の書類を書いたら、これで手続きは
終了とのこと、本当にあっけない感じでした。
車がいた時といない時で、自分の中で人生の節目がきたような感じがしました。
数々の良い思い出を作ってくれてありがとう。